空中庭園


ソニンさんが出演している映画「空中庭園」を見てきました。
お客さんは全部で30人弱くらいでしょうか。女性の方が多かったように感じます。


こんなにも考えさせられた映画は初めてです。
むしろ、今まで見てきた「映画」というものは本当に映画だったの?と疑いたくなるような感じ。
一見、無意味そうに見える映像もラストシーンには繋がってきて、「あぁ、そういうことだったのか」と。
考えれば考えるほど、ここはこういう意味を含んだ演出なのか!と気づいていくので、
もう一度見たいような気もします。
しかし、映画を見終わった後の胃にもたれる感じはもうちょっとコリゴリです。
ティラミス3個より重いですよ。


ソニンさんは幸せそうな家族を崩壊させるきっかけとなる愛人・家庭教師役として登場します。
何とも言えないセクシーさを含んだ顔や、時に見せる挑発的な態度が見所です。


それにしても小泉今日子さんの表情は百面相というか千面相というか万面相というか…。
1mm単位で笑顔を作り出したかと思えば、殺意のある表情、アンニュイな表情と色々な表情を作り出していて、
主演女優としての大きさを感じました。
ハロプロのみなさんも数十年後に、こういった女優さんになれることを祈っています。



最後にロケ地情報を。
監督のインタビューによると多摩ニュータウンの果て、横浜、千葉の幕張とあります。
まず、横浜は観覧車(モザイクモール港北)のロケ地かと思われます。
幕張はおそらくパティオスで間違いないでしょう。
この街は遠くからしか見たことがないのですが、外面は美しい街であります。
しかしよく考えてみれば不気味さや違和感も同時に感じるのも事実です。
そういった「不気味さ」や「違和感」が、この作品の空気感としっくり合っていて、
ロケ地には最適であったと思います。



以下、ネタバレを含む記述があります。
映画を見ていない人にとっては、何の事だかサッパリだと思いますので、
「戻る」ボタンを押すなり、右上の「×」ボタンを押す事をお薦めします。








・作品中によく出てくる【赤いモノ】
観覧車 / カップルにあげた花束の花/ 絵里子だけが持つ家の鍵 / 絵里子の実家のルームプレート /
絵里子の実家の庭にある洗面器(?) / 赤ワイン /誕生日ケーキの花 / 血


・作品中によく出てくる【丸が使われているモノ】
観覧車 / 家のカーテン / 家のテーブル / 家のテーブルの上の照明(バビロンの空中庭園)/
家のクッションの柄 / 食卓のグラスの柄 / 誕生日ケーキ
ラブホテルの壁の柄 /ラブホテルの引き出しの中の柄


作品中によく登場する【赤いモノ】は鮮血の象徴?
【丸】は一見円満そうに見える家族が、
実はちぐはぐした無意味な記号のようなものであるということの象徴?
赤くもあり丸くもある観覧車は、典型的な幸せそうな家族の象徴である一方、
空中に浮くものであり、人間の創造物(庭園も人間が作ったもの)でもあるため、
タイトルを端的に表すものと考えられる。