テレビ放送を見て


みんな目が生き生きしすぎてる。
どうやったらあんなに素敵な目になれるんだろう?
演じる事が好きだから、自然とああなるのかな。



【心に残ったシーン】


沙金(浅丘ルリ子)の命が絶え、次郎(仲村トオル)が抱えて立っている。
そしてその後ろから出て、産まれたばかりの赤ちゃんを抱えて子守唄を歌い始める阿濃(保田圭)。
生命の流転。


優しい顔で時々赤ちゃんを嬉しそうに見つめながら、歌う子守唄。
誰の子かわからない、子供の誕生を楽しみにする阿濃。
いとことの子の誕生を望まない三浦勝美(富田靖子)。
しかし2人とも、北畠(仲村トオル)もしくは北畠演じる次郎の子であれば…と思っている。
結局、舞台では阿濃の子は誰かわからない。

腹の子の親さえ知らない、阿呆な彼女をあざわらった。
が、阿濃は胎児が次郎の子だという事を、かたく心の中で信じている。
そうして、自分の恋している次郎の子が、自分の腹にやどるのは、当然な事だと信じている。


「偸盗」より


この流れが何とも言えなくて好きだ。
もちろん圭ちゃんの歌があるから…という理由もあるけれども、
それを抜きにしてもこのシーンは心に残る。



羅生門 女たちのまぼろし」が終わって、もう4ヶ月くらい経った。
でも考えても考えてもわからない部分がある。
普通、何かを読んだり見たりしてこんなに深く考える事は無い。
理解するために芥川の本を読んだり、芥川の生い立ちについて研究したりしているけれども、まだ答えが出せない。
……演技がよかった。歌がよかった。みんなすごかった……
それだけじゃないもっと深いものを読み取りたい。